
2025年11月6日
ギャラクシー・デジタル、ビットコイン年末予想を12万ドルへ下方修正 「成熟期入り」で上昇ペース鈍化



仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)は5日、2025年末のビットコイン(BTC)価格目標を18万5,000ドルから12万ドルへ引き下げた。
同社リサーチ責任者のアレックス・ソーン氏によるリサーチノートでは、ビットコインが「成熟期」に入りつつあると分析。機関投資家による保有比率の上昇や受動的フロー(ETF・信託経由の資金流入)、ボラティリティ低下といった構造的変化が進んでおり、今後は上昇スピードが緩やかになると予測した。
ビットコインは5日、6カ月ぶりに10万ドルを下回り、市場全体で20億ドル(約3,000億円)超のロスカットが発生した。その後10万3,000ドル台まで反発しているが、過去最高値の12万6,080ドルから約18%下落している。ギャラクシーは「10万ドル水準を維持できれば、年末までに過去最高値近くまで回復する可能性がある」 とも付け加えた。
■ 市場環境・ファンダメンタルズの変化
ソーン氏は、10月11日にトランプ大統領が発表した対中関税引き上げ発言による190億ドル規模のロスカットが市場心理を冷やしたと指摘。また、金・AI関連株・マグニフィセント・セブン(米巨大IT株)などの競合資産が資本と注目を吸収していることも、ビットコインの相対的な魅力を低下させていると述べた。
さらに、ステーブルコイン市場の急拡大がフィンテックや決済インフラへの資金流入を誘発し、ビットコイン投資からの資金シフトを加速させていると分析。
政策面では、トランプ政権が1月に署名した「戦略的備蓄設立」大統領令に基づく政府のビットコイン購入が依然として発表されておらず、「肯定的な発言に対して実行が伴わないことが投資家心理を冷やしている」と指摘した。
■ 個人投資家・企業動向
個人投資家の関心は2021年以降停滞しており、昨年のミームコインブームも一時的なものにとどまった。ソーン氏は「短期的な投機熱が、ビットコインの本質的理解と採用の進展を妨げている」と述べた。
また、企業によるビットコイントレジャリー戦略も「第2段階」に入ったと分析。これまで株価上昇はビットコインの価格に依存していたが、今後は準備金の運用を超えた事業収益力の強化が求められるとした。
ソーン氏は「長期的にはビットコインに強気だが、目標達成には予想以上の時間がかかる可能性がある」と述べている。











