
2025年11月11日
「ファンダメンタルズは健全」──コインベース、清算後の市場構造を分析

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所 コインベース の機関投資家部門は8日、最新の月間レポートを公開した。
同社は、10月10日の大規模清算イベントを経て市場は短期的な底値を形成し、過剰レバレッジが一掃された結果、健全な構造にリセットされたとの見方を示した。
📊 構造的リセットと今後の展望
コインベースは、「清算によってリスク資産への圧力は高まったが、それはテクニカル要因による調整に過ぎない」と分析。
仮想通貨市場のファンダメンタルズ(基礎的環境)は依然として健全であり、
「今後数か月は緩やかな上昇トレンドを描く可能性が高い」と予想した。
特に、レバレッジ崩壊の影響を受けなかった機関投資家の資金が次の上昇局面を牽引すると見ている。
一方で、個人投資家の保有比率が高いアルトコインは清算の影響を強く受けたとし、
市場の回復には数か月を要する可能性があるとした。
💹 BTCドミナンス上昇と市場ローテーション
同社は「今後2〜3か月でビットコイン(BTC)のドミナンスが上昇」すると予測。
その前段階として、ETH/BTCなどアルトコインペアに下落圧力がかかる可能性を指摘している。
また、オプション市場のデータから算出される価格確率分布によると、
今後3〜6か月間でビットコインの想定レンジは9万〜16万ドル。
この範囲で上昇を見込む投資家が多いことが明らかになった。
🧠 スマートマネーの動向
レポートでは、Nansenのデータを引用し、清算後のスマートマネー(熟練投資家)がどの分野に再投資しているかも分析。
資金の流れは、
EVM系チェーン(イーサリアム・アービトラムなど)
利回り・実用性を重視したプロトコル(ステーキング、リ・ステーキングなど)
に集中しており、ソラナ(SOL)やBSCチェーンへの流入は減速しているという。
さらに、グレースケールがETHとSOLを対象に米国初のステーキングETFを発表したことも、
この流れを後押しする要因とみられている。
コインベースは総括として、
「市場はまだ完全回復には至っていないが、健全な基盤の上で再構築が始まっている」と結論づけた。












