
2025年10月29日
「フランス右派、国家ビットコイン備蓄法案を提出 余剰電力でマイニング推進」

フランスの中道右派政党「共和国のための右派連合(UDR)」は28日、仮想通貨に関する包括的な法案を議会に提出した。主導したのはエリック・シオッティ議員で、同国初の本格的なビットコイン(BTC)国家戦略立法となる見通しだ。
法案では、ビットコインを「デジタルゴールド」として位置づけ、フランス政府が総供給量の最大2%(約42万BTC)を7〜8年かけて備蓄することを提案している。目的は、金融主権の強化とエネルギー資源の有効活用だ。
備蓄を管理するため、金や外貨を扱う中央機関に類似した公共行政機関(EPA)を新設。資金調達の一部は、原子力および水力による余剰電力を活用した公的ビットコインマイニング事業によって賄う計画だ。
さらに、国内マイナー向けの税制優遇措置を導入し、国内産業参加を促進する方針も示された。
この動きは、7月に提出された「余剰電力をマイニングに転換する経済実験プログラム」の延長線上にあり、原子力や再生可能エネルギー由来の電力を仮想通貨マイニングへ活用する狙いがある。
また、今回の法案では、政府が押収した仮想通貨を保有可能にする規定を盛り込み、国民の貯蓄制度である「リブレA」や「LDDS」から集められた資金の25%を日次ビットコイン購入に充当する計画も掲げている。
このスキー ムでは**1日あたり約1,500万ユーロ(年間約5万5,000BTC)**を市場で取得する計算となる。
さらに、憲法改正を経て、市民が税金をビットコインで納付できる仕組みの導入も検討されている。
シオッティ議員はまた、欧州中央銀行(ECB)によるデジタルユーロの発行を禁止し、代わりにユーロステーブルコインと民間仮想通貨投資の促進を提案。これは、米国がCBDCを禁止しつつステーブルコインを法的に支援する「ジーニアス法」を参考にしているという。
なお、UDRはフランス国民議会(577議席)で16議席を有する少数政党だが、同法案はフランスの仮想通貨政策転換に向けた象徴的な動きとして注目を集めている。












