
2025年10月10日
欧州安定メカニズム(ESM)、ユーロ連動ステーブルコイン導入を検討
欧州金融の新たな安定軸となるか

欧州の金融安定を担う欧州安定メカニズム(ESM)が、
ユーロに連動するステーブルコインの導入を検討していることが報じられました。
この構想は、ブロックチェーン技術を活 用しながらデジタルユーロ経済圏の強化を狙うものであり、
従来の金融システムと暗号資産を橋渡しする可能性があります。
背景:ユーロ圏の金融安定とデジタル化の課題
ESMはユーロ圏の金融安定基金として設立され、加盟国の財政支援を行ってきました。
しかし近年、中央銀行デジタル通貨(CBDC)や民間ステーブルコインの台頭により、
「デジタル金融の主導権」をどこが握るかが大きな争点となっています。
ESMが自らステーブルコインを検討する背景には、
欧州が米国・アジアのデジタル通貨競争に遅れを 取らないための戦略的意図があります。
目指すのは「安定と流動性の両立」
構想されているステーブルコインは、ユーロ建て資産を100%裏付けに発行する形が有力。
これにより、ユーロ圏内での送金・決済の効率化や金融インフラの透明性向上が期待されています。
また、ブロックチェーン上で運用されることで、
加盟国間の資金移動をリアルタイムでトラッキング可能にするなど、
従来の銀行システムでは実現しにくかった新たな監督手法も導入できる見込みです。
専門家の見方
金融アナリストの間では、
「ESMがステーブルコインを発行することで、ユーロ圏の信頼性と影響力が強化される」との期待がある一方で、
「中央銀行と権限が重複するリスク」や「規制設計の難しさ」を指摘する声もあります。
EUではすでにMiCA規制(暗号資産市場規制)が2024年に施行されており、
ステーブルコイン発行に関するルールも整備段階にあります。
編集部まとめ
ESMによるユーロ連動ステーブルコイン構想は、
欧州の金融政策・ブロックチェーン戦略において新たな一歩となる可能性があります。
今後の制度設計次第では、ユーロの国際的地位を再強化する起爆剤となるかもしれません。












